日本人宿はたくさんの情報と出会いが落っこちています。
共用スペースの壁に貼られていた一枚の募集記事。
「村でにわとり小屋を建設するボランティアを募集しています」
おっ?
村とか、建設とか、ボランティアとか、気になるワードだらけです。
もっとよく見てみます。
「最終日は生きた鶏をさばいてパーティー、参加費20ドル」
おおっ??
旅をしていて市場を巡るたびに”命を頂く”ことを思い出すものの、生きた状態からは見たことがなく、自分がどういう反応を示すか興味がありました。
もう一つ、参加費20ドル、いつもならケチるんですけどね。
有料ボランティアなのにそれでも参加する人がたくさんいる理由を知りたくなりました。
そんな訳で本日は、NPO法人はちどりプロジェクトの企画する「にわとり小屋建設プロジェクト」に参加してみました!
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朝7時半。
みんなでトラックの荷台に乗り、朝ごはんをゲットすべく、シェムリアップから1時間弱の地元市場を目指します!
豚めしが3000リエル(80円)で食べれるし、スリはいるけど雰囲気いいし、やっぱりローカル市場は楽しいです。
子供たちもちょっかいを出してきたりして、すごい可愛い!!
↑ カンボジアの子どもは無邪気で可愛い、お尻出てるけどねww
そして更に1.5時間、村に到着。
なんだかいきなり「のどかな田舎」になった気がします。
以前は学校だった場所や先生のお家、はちどりが建てた学校など、色々と案内をしてもらいました。
ちょうど、たくさんの子供たちが下校する時間だったみたい。
2つの教室と図書館がある学校の中も案内してもらいました。
午前と午後のクラスがあり、先生は2人、生徒は120人。
図書館にはドラえもんの本や、北海道からの寄付で集まった鍵盤ハーモニカ。
壁にはカラフルな絵が飾られていました。
1〜4年生までは2科目、5年生は4科目、音楽や図工などの高等教育はカリキュラムに入っていないそうです。
聞いた話ですが、驚いた実話の一つ。
子供たちからの無邪気な質問。
「日本には太陽はいくつあるの?」
「カンボジア(自分の国)はどこにあるの?」
日本では当たり前のようにみんな知っていることは、この国で当たり前ではないみたい。
学校の外構も素敵!
ひまわり畑をはじめ、井戸や浄水器、ブランコやコンクリートで作った遊具がありました。
ちなみに、浄水器は子供たちに水の安全さを教えるために付けられたとのこと。
そこからすぐの場所に、紙すき工房(下記参照)と建設中のニワトリ小屋があります。
ニワトリ小屋の作業はほとんど終わっていたのですが、一から全て現地調達可能材料で手作りされた完成品を見れて良かったです。
また、紙すき工房の屋根にはちょうど前日、ソーラーパネルが付けられて電気が通ったとのこと!
費用はクラウドファウンディングで集めたとのことですが、こういうきちんとした使われ方ならファウンド(募金)した人も嬉しいですよね!
さて、なんだかんだお昼になったので、ニワトリをさばいていただきます。
ニワトリは朝、買ってきたもの、生きています。
カンボジア人のリアンがニワトリをしっかり捕まえて、頸動脈を切って、赤い血を抜いてくれました。
一部始終見ていたのですが...卒倒しそうとか、見ていられないとか、そういうことはなかったです。
むしろ見ていなきゃと思って、最後まで凝視。
小さな生き物の小さな命ですが、息が消える瞬間はやっぱり悲しい気持ちになりました。
血を抜いた後は沸騰したお湯につけて毛穴を開き、ニワトリの羽根を剥ぎます。
そうすると市場でよく目にしていた、ニワトリのお肉になります。
お肉屋さんの仕事って、精神的にも肉体的にも本当に骨が折れる仕事だとわかりました。
そのあとは話しながらBBQ。
こんなにも「いただきます」に気持ちを込めたのは初めてでした。
そしてちょっと作業して、4時半ごろ帰宅。
楽しくも充実した1日でした。
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話は変わって...
カンボジアに小学校を立てる日本人(団体)はたくさんいるようですが、その後きちんと機能していなかったり、日本人は自己満のために建てるという悪い噂だったり、ネットの情報だけではあまりいい印象ではなかったんです。
なので、会っていきなりこんな質問してもいいのかとドキドキしながらも、副代表の方に色々とお話を伺いました。
「(はちどり小学校建設のプロジェクトは東日本大震災直後から始まったのですが)なんで日本ではなくカンボジアを選んだのですか?」
答えはシンプルでした。
「たまたまです^^」
日本が大変な時期だったので色々なバッシングも受けたのですが、被災地支援に行った際、そこで出会った他のボランティアさんに“ここは任せろ、カンボジアを頼む”と背中を押されたそう。
そして、自分の信じる良い何かをやらないよりは、まだやってみたほうがいい、とも仰ってました。
(うんうん、それは納得です。)
また、小学校建設が日本人ボランティアの自己満にならないため、様々な取り組みについても聞きました。
そもそも小学校の建設は、カンボジア教育委員会との相談で場所を決めて、ボランティアさんたちが建てた後は、学校自体を国にプレゼントするのだそう。(日本と同じ義務教育制度があります。)
はちどりも例に倣って、学校を国に渡しました。
しかしその後、きちんと学校に通っていない子供たちがいることがわかり、原因を調べてみると、親と共にタイに出稼ぎに行っていることが発覚。
(カンボジアだと先生クラスでも月150ドルの稼ぎだそうです。)
これでは学校を建てた意味がない!
なので、今度は村にいても稼げるように紙すき工房を建設、雇用制度を考えたそうです。地元の綿を使ったとっても素敵な紙製品で、現在は3名が働いています。
今回、ニワトリ小屋を建てるのも、自分たちで育てたニワトリがお金を稼ぐ手段になるのか試すため。
そして村人に伝えるため。
また、いつまでも支援を続けるのではなく、村人たちが自立できるよう、10年を目処に手を引くのが目標だそうです。
9割の村人が米農家であり、稼ぐ手段もそんな考え自体も存在しないこの村。
人々の暮らしを良くするためには、誰かの力や知恵が必要。
そのお手伝いをしていると仰っていました。
想いや目標、実行していることが明確で素敵ですね(*^^*)
勉強になる部分がたくさんあります。
たまたま行った宿で、たまたま見つけた募集記事。
本当に良い経験をしました。
参加費20ドルは交通費(現地ドライバーを雇っているので)とのことでしたが、それ以上に得られるものがあると思います。
世界って本当に広いくて面白いなぁ、と思う1日でした。
【カンボジア:シェムリアップ情報 2015/1/17】
天気:はれ
気温:30℃くらい
服装:ゆるぱん1
+α:そして夜は姉と合流し、カンボジアの民族舞踊アプサラの鑑賞ディナーに行きました。ご飯いらないから踊りだけ、じっくり見てみたいなー!